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2006年10月23日

●工房withの開所・くまのベイカーズ移転にあたって

PGSJ(プルデンシャル・ジェネラル・サービス・ジャパン有限会社)の「菓子工房ウィズ」が、川越市諏訪町に9月15日にオープンした。くまのベイカーズは、名前のいわれである「熊野」町を離れ、菓子工房ウィズの隣に移転した。隣と言うと語弊があるかもしれない。菓子工房ウィズの一画をデイケア事業スペースとして又借りしている。

PGSJとくまのベイカーズ、お互いに足りないものを補い合える、求めているものを提供し合えるのではないかということで、提携への話し合いが始まったのが昨年の11月。

くまのベイカーズは、ここ数年、パンとクッキーの販路を広げ、売上を伸ばし、通所障害者の工賃を増やしてきた。しかしこれまでのやり方ではこれ以上、生産や販売をあげることはできないとも考えていた。パンや菓子を作るスタッフの技量に不安はなかったが、工房の狭さ、設備の貧弱さ、販路の狭さが制約となっていた。何度も移転の話が出たが、賃料や設備投資のことを考えると話はうやむやになった。

プルデンシャル生命保険(株)は特例子会社設立による障害者雇用推進の方針を決め、PGSJを設立した。そして、椎名社長を始めとした準備スタッフの調査活動の末に、自社と関連会社社員が営業活動や私的に使うであろう「しゃれたクッキーを作る工房」を作ることに決めた。そこで、菓子を作る力量を持ち、障害者社員の相談・生活支援もできるグループを探していた。

PGSJ経営スタッフが、関連組織を手始めに菓子の販路を広げる、くまのベイカーズやセンター21の支援を受けて、障害者社員がお客の求める品質と数量のクッキーを生産する。特例子会社とは言え、菓子工房ウィズは民間事業所として、自らの販売収入で自らを養っていかねばならない。ベイカーズはこれを支える。これまでより責任や労苦が大きいが、手ごたえや報酬も大きい仕事であり、くまのベイカーズは、望んできた舞台を得たといえるだろう。

こうした民間会社との協働作業の先例があるのかどうか、知らないが、恐れることはない。失敗したらやりなおすまでだ。逆に成功させて、障害者施設と企業との提携の好例としたいものだ。

2006年9月

特定非営利活動法人              

上福岡障害者自立支援センター21 代表 有山 博